とくになし

読んでください

シェイクスピアのソネットを訳していく。2

2日目です。前回は、語り手が美しい若者にそれを無駄にせぬよう、美しさを増やすように語り掛けているところでした。今回はその続きです。

 

When forty winters shall besiege thy brow,

40回の冬がおまえの相貌を襲うだろう、

And dig deep trenches in thy beauty’s field,

そしておまえの美しさの戦場に深い塹壕を掘るとき、(=肌にしわを作るとき)

Thy youth’s proud livery, so gazed on now,

おまえの若さは、今は環視の的で、生き生きと得意になっているが、

Will be a tatter’d weed, of small worth held:

いずれぼろぼろの雑草のようになり、価値は目減りする。


Then being ask’d where all thy beauty lies,

そしてお前の美しさはどこにあるのと尋ねられる、

Where all the treasure of thy lusty days,

お前が旺盛だった日々の宝は、と、

To say, within thine own deep-sunken eyes,

おまえ自身の深く沈んだ両目の中に、

Were an all-eating shame and thriftless praise.

すべてを食らいつくす恥と欲深い崇拝のなかにあると(お前は)いう。

 

How much more praise deserved thy beauty’s use,

おまえの美しさを用いることが、どれほど多くの称賛を受けただろうか、

If thou couldst answer ‘This fair child of mine

もしもお前がこう答えることができたなら。「この美しい私の子が

Shall sum my count and make my old excuse,’

わたしの(人生の)すべてを合計したもので、わたしの老いの言い分なのです」と、

Proving his beauty by succession thine!

彼の美しさはお前から引き継いだものであると証明することで!

 

This were to be new made when thou art old,

おまえは老いて、新たにつくられる、

And see thy blood warm when thou feel’st it cold.

そしておまえは、おまえの血が冷たく感じられるときに、おまえの温かい血を見る。

 

「推しの遺伝子、途絶えないでくれ」って推しの熱愛を応援するオタクみたいですね。

ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』の美しい若者であるドリアンとこの若者の(そろそろ子供もてと言われているのでそんなに若くはないのかもしれませんが)イメージがなんとなくかぶります。ドリアン・グレイのなかに言及があったかは覚えていないのですが、同じワイルドの短編『W・H氏の肖像』は、ソネットで愛をうたわれている男性は何者なのか、というのをめぐった物語でした。ということで今日はここまで。