アリス・ウォーカー「誰のものにもならないで」
アリス・ウォーカーの「誰のものにもならないで」(Be nobody's darling)
葉月陽子訳『続・母の庭を探して』の「誰のものにもならないで」より。初出は詩集『革命的なペニチュア』から。
「寄る辺ないままでいなさい」の原文が気になったので、原文と自分の翻訳をつける。誤訳が多い…。
アリス・ウォーカー
「誰のものにもならないで」
Be nobody’s darling;
Be an outcast.
Take the contradictions
Of your life
And wrap around
You like a shawl,
To parry stones
To keep you warm.
誰のものにもならないで
のけ者でいて。 ➡「寄る辺ないままでいなさい」
人生の
矛盾を受け入れて、
それであなたを
ショールのように包むの
飛んでくる石を躱して
あなたを温めておくために。
Watch the people succumb
To madness
With ample cheer;
Let them look askance at you
And you askance reply.
人々が狂気に
屈するのを
喜びとともに眺め 喜んで狂気に屈する
彼らには横目で見させておくの
あなたも横目に返して。
Be an outcast;
Be pleased to walk alone
(Uncool)
Or line the crowded
River beds
With other impetuous
Fools.
のけ者でいて。
堂々と一人で歩くの
(かっこよくなくても)
さもなくば混雑した
川岸で ×川底
ぎゃあぎゃあとした
愚か者たちと並ぶことになる。
Make a merry gathering
On the bank
Where thousands perished
For brave hurt words
They said.
川岸で ×土手
陽気な集まりを作りなさい
何千ものひとが死んだ
というのも勇敢さは言葉を傷つけたから ×痛みにみちた勇敢な言葉を口にしたから
そう彼らは言った。
Be nobody’s darling;
Be an outcast.
Qualified to live
Among your dead.
誰のものにもならないで
のけ者でいて。
死んだ者の中で
生きる資格を手に入れて。